『魔法少女育成計画』遠藤浅蜊(宝島社)読了

各所でいい評判を聞いたので大変期待して読んでみたが……期待はずれだった。

『まどマギ』の前に出ていたならまだしも、その後では、魔法少女同士のバトルロイヤルもその真相もたいして響かない。

もちろんそんじょそこらのラノベに比べてハイクウォリティなのは認めるけど、あえて読むべき1冊ではないなあ。

まあどこまでも広げられる設定なので、いろいろと展開はできるかもね。

あー、今年1番期待って勢いのラノベだっただけに残念だ……。

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『中二病でも恋がしたい 1~2』虎虎(京都アニメーション)読了

アニメを見たい(∵腐っても京アニ作品なので)→ラノベアニメを見る時は(いちおー)原作を読むことにしている→仕方ないから読むか……。という流れで読んだ。

中二病はスパイスで、基本的には「もうお前ら結婚しちゃえよ」と呆れるぐらいのイチャラブストーリィが展開する、まあ二流のラノベ。

しかし1巻はともかく、続刊することはなかったんじゃね? というのが正直なところ。単に質の低いラブコメだしなあ。

……これのアニメおもしろいんか?

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『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール(阪急コミュニケーションズ)読了

原題の直訳は『本から離れようったってそうはいかない』だそうなので、注目を引くためにあえて扇情的なものに変えたのであろう本書のタイトルはミスリード。

たしかに「電子書籍が隆盛を迎えつつある現代においての紙の書籍」を語っているところもあるが、それは本書の一部分で、実際にはエーコとカリエールの2人が、「本」というものについての情熱をありとあらゆる角度から語っている。

どの部分についても感心させられたり、同意させられたり、あるいは驚かされたりと、さまざまに知的な刺激を受けるんだけど、全編通して感じるのは2人の非常にバランスの取れた知性。自分の趣味嗜好は(当然ながら)あれども、物事を見る眼は常に客観的な位置に保ち、冷静な議論を行う。

邦題の主題にもなっている電子書籍その他のテクノロジーについても、その存在意義や今後を認めた上で(自分たちも十分に活用している!)、でもやっぱり紙の本が好きなんですよと語る姿には頑迷固陋さは微塵もない。

読後には、久々に知性あふれる話を聞かせてもらったと大変清々しい気持ちになった。本を愛する人ならぜひ読むべき本だろう。

最後に読んでいてなるほどと思ったり、深く頷いたりしたところも(一部だけれども)引用しておきたい。なお、読んでいたのがちょうど『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の公開直後で、その解釈をめぐり、ネット上で議論がかわされていた頃でもあるため、そういった議論に対しての回答めいた部分が多くなってる(笑)。

以下引用。Eはエーコの、Cはカリエールの、Tは進行役のジャン=フィリップ・ド・トナックの発言である。

E:我々の問にはたぶん一つの答えがあると思うんです。書物の一冊一冊には、時の流れのなかで、我々が加えた解釈がこびりついています。我々はシェイクスピアを、シェイクスピアが書いたようには読みません。したがって我々のシェイクスピアは、書かれた当時に読まれたシェイクスピアよりずっと豊かなんです。
傑作が傑作であるためには、知られるということが大事です。つまり、作品がみずから喚起した解釈を吸収することで、その個性をより強く発揮していれば、傑作は傑作として認知されます。知られざる傑作には読者が足りなかったんです。充分に読まれなかったし、充分に解釈されなかった。結局のところ、今日の聖書があるのはタルムードのおかげなんです。(pp.222-223)

E:哲学についても同じことが言えます。バートランド・ラッセルの哲学はハイデッガーの哲学ほど多くの解釈を生みませんでした。なぜでしょう。それはラッセルが非常にクリアでわかりやすいのに対し、ハイデッガーは難解だからです。どちらか正しくてどちらかが間違っているという意味ではありません。私自身は、二人とも警戒しています。ただ、ラッセルは馬鹿なことを言うとき、馬鹿なことを言っているとはっきりわかるんですが、ハイデッガーの場合は、わかりきったことを言っているのに、我々はそれに気づけなかったりするんです。歴史に残り、長持ちするためには、つまり難解でなければいけないんです。ヘラクレイトスはそのことをすでに知っていました……。(後略)(p.248)

E:子供の頃、近所に住んでいた女性が毎年クリスマスに本をくれました。あるとき、その人に訊かれたんです。「ねえウンベルトちゃん、あなたは本に何が書いてあるか知りたくて本を読むの? それとも読むのが好きだから本を読むの?」。そして私が認めざるをえなかったのは、読んでいる本にそこまで興味がなかった時もあったということです。私はただ読むのが好きだったから、何でもかんでも読んでいたんです。これは子供心にも衝撃的な大発見の一つでしたよ!(p.374)

T:いずれにせよお二人は、読んでない本や一生読むこともない本を本棚にたくさんためこんでいるすべての人たちを、その罪悪感から見事に解放してくださいました!
C:本棚は、必ずしも読んだ本やいつか読むつもりの本を入れておくものではありません。その点をはっきりさせておくのは素晴らしいことですね。本棚に入れておくのは、読んでもいい本です。あるいは、読んでもよかった本です。そのまま一生読まないのかもしれませんけどね、それでかまわないんですよ。
E:知識の保証みたいなもんですよ。
T:ワインセラーにも似ていますね。全部飲んでしまったら困りますね。(p.382)

素晴らしい!

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『黄金の王 白銀の王』沢村凛(幻冬舎)読了

多感な時期にこの本を読んでいたら与えられたであろう衝撃は幾許のものかと考えると戦慄を禁じざるを得ない。

人がどう生きるべきかということについて、さまざまな面から疑問を投げかけ、かつ示唆を与える、そんな小説。

終盤の展開に納得のかない部分(説明が足りない、といったほうがいいかもしれないが)があったが、それを差し引いてもお釣りだけで家が1軒建つぐらいの価値がある。

必読。

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『ストリンガーの沈黙』林譲治(早川書房)読了

非常に贅沢な作品。エネルギー問題、宇宙で発展した人類、ファーストコンタクト……。それだけで1冊書けそうなテーマがふんだんに盛り込まれている。

頻繁に焦点を合わせ直しながら読まないといけないので、正直読む方としても頭が疲れる部分もあったけど、それこそが本書のすごさ。

まあ本書自体が続編で、おそらく筆者の中には舞台となっている22世紀の世界観というのができているんだろう。そういう作品は説得力あるよね。おもしろかった。

それと宇宙での戦闘の描写がよかった。広大な空間で戦闘を行う際のリアリティがあったな。

前作も読んでみたい。

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『知っておきたい太陽電池の基礎知識』齋藤勝裕(ソフトバンククリエイティブ)読了

おもに太陽電池の仕組み、作製方法について重点的に記された太陽電池入門書。中学校で習う(と思うが)ような原子構造から説明がなされているが、非常に判りやすくシームレスに太陽電池の仕組みの解説につながっており感心した。この太陽電池のシンプルな構造は強みだよね。

まあ個人的に、以前から人類のこれからのエネルギィは究極的には太陽しかないと思っているので(だって、そもそもそれ以外で利用可能なエネルギィ、たとえば石油にしろ石炭にしろ風力にしろ水力にしろ、元を正せば太陽エネルギィからの産物って言って過言じゃないっしょ)、太陽電池の発達にはぜひ期待したい。

本書の最後には宇宙太陽発電システムと軌道エレヴェイターによる未来が描かれてたけど、そんな日が来たら……楽しいなあ。

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『リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック』Dustin Boswell、Trevor Foucher(オライリージャパン)読了

ずーっと読もうと思いながら読めていなかった本。

コーダーの心得としてすごくよく出来ている。何を置いても実際のコードが例示されているところが素晴らしい!(これって当たり前のことのはずなんだけど、コードがない書籍って意外にあるんだよね)

個人的に1番感銘をうけたのが、命名の大切さを力説していた部分。自分もなるべくシンプルでかつ判りやすい名前をつけるようにしているつもりではいたんだけど、まだまだ推敲が足りなかったんだなと痛感した。英語での命名だから、どうしても単語の選択がルーズになってたんだなぁ。でもって名称を考えることが、そのクラス・関数・変数の機能を考えることにもつながり、コードの精度を上げることにもなるというのはまったくその通りですの一言。

間違いなく新人プログラマー必読の書の1冊。

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『新約 とある魔術の禁書目録 (5)』鎌池和馬(アスキー・メディアワークス)読了

御坂が出たね。ゲンコロゲンコロ。

まあ見どころはそれぐらい。

話も俺にはつまらない。もはやキャラだけを楽しむものになっている。……正しいか。

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『新約 とある魔術の禁書目録 〈4〉』鎌池和馬(アスキー・メディアワークス)読了

一所懸命考えた厨二設定を鼻息荒く開陳されて、ただただ圧倒される。まあいつもそうなんだけど、今回はその極致といってもいい。少なくとも俺は読むのが苦痛なレヴェルではあった。

御坂も出ねーし読んで損した、というところ。まあそれでも御坂がいる限り読むけどな!

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『ロウきゅーぶ! 11』蒼山サグ(アスキー・メディアワークス)読了

今回は試合メインの話なので、基本的には「熱い」んだが、ところどころに表出する変態度は増しており、いよいよガチで犯罪者認定される日も遠くないのではと不安な気になる(笑)。

ちなみに酔っぱらい智花は意外だけどよかった(笑)。

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