『絶深海のソラリス I~II』らきるち(KADOKAWA / メディアファクトリー)読了

この小説に関しては、1巻が出た際にレビュー等でウワサを聞いて興味を持っていたんだが、その時点で読まず、2巻が刊行された直後というタイミングで読めたことは、結果として非常に幸運だった。

1巻は主人公の原動力を生み出す種となる物語で、実際は壮大なプロローグ。たいへん無残な結末を迎えるので、そこで終わってしまっていたら、相当胸が痛むし、人によっては後味悪く感じるのも無理はない。

が、1巻があってこそ2巻の展開が生きるし(というかそれがなくては2巻は存在しない)、あってこそラストのシャロンの想いとセリフがきらめきと重みを持つ。

1巻があるがゆえに、その想いが果たされるかには一抹の不安もあるが、もし果たされないとしてもそこに理由と美しさがあるのだろうという信頼感はある(ちなみに個人的に2巻の後半部は途中でネタが割れた)。

今後がおおいに楽しみな作品ができてうれしい。

『武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (3) 』赤石赫々(KADOKAWA/富士見書房)読了

もはや惰性。ワンパターンとなってしまっているのでなんらかのテコ入れが欲しい。

とはいえ、ちょっと難しそうな気はするが……。まあキャラの魅力を上げてそっちを押していく方向かなあ。

『彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ 』

第一部最終盤と第二部序盤は、ストーリィの大きな転換により、それまでの雰囲気より硬質な展開が続いていたが、それもようやく軌道に乗り始め、以前の『がをられ』が戻ってきた。

と同時に転換がもたらすループ感がいい感じに仕上がってきている。

うーん、なんというか、さすがエロゲライター、という感じ。普通の小説家なら、こういったストーリィ転換をこれだけの時間をかけて書けない(書かない)だろうと思う。

全体としては危なっかしいストーリィ構成に見えているが、これまでの流れを見るとなんとかなりそうなので、今後が楽しみ。

『折れた竜骨』米澤穂信(東京創元社)読了

ミステリィをファンタジィの枠組みに上手く合わせ込んだ作品。

後半の謎2つが事前に読み解けてしまったため、ミステリィとしてのおもしろさは減じたが、そうでなければもっと楽しめただろう。

とはいえ、ミステリィとしても十分にフェア(細かく言えばキリがないが)だし、なにより挑戦だし、好感を持てる作品だった。

『女騎士さん、ジャスコ行こうよ2』伊藤ヒロ(KADOKAWA/メディアファクトリー)読了

相変わらず中身がまったくないくせに、キャラの個性、軽妙なやりとり、ちょっとしたお涙、バカバカしいオチなどをちりばめて、いつの間にか読み終えさせる「手口」には恐れ入る。

これぞ(悪い意味かついい意味での)「ザ・ラノベ」なのかもしれない。

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