『艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆』内田弘樹(KADOKAWA/富士見書房)読了

少々詰め込みすぎに感じたが、それも作者の『艦これ』愛ゆえだと思われる。

また、幸運艦が戦局を左右するという設定は大胆すぎないかと思ったが、よく考えるとこれは原作を知った上での話であって、単独の物語としてみれば普通にあることだ。

引っ張りまくった終わり方になっていたので、ぜひ続きが読みたいものだ。

あと、すごく気になったのが原作にある加賀さんの「五航戦の子なんかと一緒にしないで」のセリフの解釈。

これは「子=艦載機」で、自分の艦載機の練度の高さを母親のような気持ちで誇っている(五航戦の艦載機を下に見ている)という意味だろう。

にもかかわらず「五航戦の子=翔鶴・瑞鶴」と解釈し、翔鶴・瑞鶴を直接的に下に見ているという解釈が散見されるのにどうにも違和感を禁じ得ない。

結果として五航戦より一航戦が優れているという自負にはなるが、これらはまったく違うものだろう。アニメで「五航戦の子=翔鶴・瑞鶴」という解釈にならないことを祈りたいが……。

『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 1~2』築地俊彦(エンターブレイン)読了

友情・努力・勝利を地で行く王道ラノベ。『艦これ』がテーマではあるが、『艦これ』である必要はない。しかし『艦これ』であるがゆえに熱くなれる、そういう内容だった。

『艦これ』好きは楽しめるが、『艦これ』を知らない人は楽しめない。徹頭徹尾『艦これ』な小説。

しかし1巻、2巻とも駆逐艦がラスボスにとどめを刺すというのは、さすがにご都合主義の匂いを感じ取らずにはいられなかったかな。

『のうりん 8』白鳥士郎(SBクリエイティブ)読了

今巻の白眉はなんといってもマネー金上が活躍する「第9限 異才」だろう。『アカギ』ネタは笑えるし、金上押しの俺としてはヒロイン昇格フラグが立ったのも嬉しい!(まあないだろうけど)

あとはまあいつものパロネタで笑い、ちょっとした真面目ネタで「ふーん」と「お勉強」。

『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里(集英社)読了

なぜそう思っていたのか判らないけど、とにかく最初「単なる」ミステリィだと思って読み始めたら、なかなかに骨のあるしっかりした文章や、人の心理や歴史を鋭くえぐっていく記述に、これはきちんと読まないといけないぞと襟を正される羽目になった。

旧ソ連で起きた悲劇のうちの一つがほのかに照らし出されたかのような本作品は、その薄ぼんやりとした回りに数えきれぬほどの骸が横たわっているのが感じられるスケイルの大きな作品だった。

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